お椀が空になるたびに給仕さんからテンポ良くつぎ足され、空になったお椀が積み上がる食とエンタメが融合した岩手県の名物「わんこそば」。
給仕さんとの掛け合いや、お代わり回数の限界にチャレンジしたり、薬味で味変するなど、色々と楽しめる「わんこそば」を一度は本場の岩手県で体験してみたいですよね。
そこで、この記事では、「わんこそば」の発祥や岩手県の「花巻」や「盛岡」、「平泉」にある「わんこそば」のおすすめの名店や周辺のおすすめの体験型観光スポット・名所を詳しく解説・紹介します。
岩手の名物「わんこそば」の発祥はどこ?
「わんこそば」の「わんこ」は岩手県の「漆器」の方言です。
「わんこ」は漆が塗られた「漆器」で、艶やで美しい光沢があり、木のぬくもりを感じられる日本のを代表する工芸品として海外でも高く評価されています。
日本人は縄文時代から漆を使っており、「わんこ」は上品な光沢で日本の食卓を彩り、食文化の一端をになってきました。
日本で流通する漆の約91%が外国産で占められ、国内漆は9%にすぎません。
岩手県は国内漆(うるし)の約82%(2021年度)を生産しています。(参考:「漆」の世界|農林水産省)
また、岩手県は東方からの「やませ」という冷風の影響で寒さが厳しく、米よりソバなどの雑穀の生産が盛んでした。(参考:岩手の穀類|JA岩手県中央)
このように岩手県独特の土地柄から、上品な漆塗りの「わんこに」を贅沢に使い、ソバを次々につぎ足して食べる「わんこそば」の食文化が発達しました。
「わんこそば」の発祥には諸説ありますが、下記の2つが有名です。
- 岩手県の「花巻」で「わんこそば」が発祥した説
江戸時代に当時、藩主の南部家の27代目「南部利直」が江戸へ向かう途中に花巻で宿泊していました。
藩主の利直が食事の際に、失礼のないように漆器に入れて出された郷土料理のソバをとても気に入り、何回もお代わりしたという逸話があります。 - 岩手県の「盛岡」で「わんこそば」が発祥した説
「平民宰相」の愛称で親しまれていた岩手県盛岡出身でソバ好きの原敬が、盛岡に帰省した際にソバを食べ、「そばは椀コに限る。」と言ったことが始まりという説。
もともと、岩手県の花巻や盛岡などではソバを振る舞って客をもてなす風習がありました。
大勢の客にゆでたソバを振る舞う際には、待たせることなく全員にソバが行き渡るように、少量ずつ椀に盛ってだしていました。
また、客をもてなす礼儀として、ソバを食べ終わるとすぐにお代わりをすすめる「おてばち」とよばれる独特の風習も行われています。
岩手の名物「わんこそば」おすすめ店と周辺の観光名所について!
岩手の名物「わんこそば」おすすめ店と周辺の観光名所について下記の順番に紹介します。
- 岩手県 「花巻」のおすすめ「わんこそば」店
- 岩手県 「花巻」周辺のおすすめ観光名所
- 岩手県 「盛岡」のおすすめ「わんこそば」店
- 岩手県 「盛岡」周辺のおすすめ観光名所
- 岩手県 「平泉」のおすすめ「わんこそば」店
- 岩手県 「平泉」周辺のおすすめ観光名所
岩手県 「花巻」のおすすめ「わんこそば」店
岩手県花巻市出身の詩人や童話作家として知られている「宮沢賢治」が、足繁く通っていた名店「やぶ屋 花巻総本店」を紹介します。
やぶ屋 花巻総本店|花巻
400年ほど前に、南部家の27代目「南部利直」をもてなした花巻発祥の「わんこそば」。
大正十二年の創業当時、宮沢賢治も「やぶ屋 花巻総本店」に足繁く通い「天ぷらそばと三ツ矢サイダー」を注文していました。
やぶ屋 花巻総本店は、創業100周年を迎えましたが、代々伝統と味を守り続けてきています。
やぶ屋の「わんこそば」はすべて給仕さんがつき、食べた分のお椀が積み重なります。
「わんこそば」を注文した方には大食い証明書を、100杯以上食べた方には横綱記念手形が発行されます。
岩手県 「花巻」周辺のおすすめ観光名所
「わんこそばで」和のテイストを存分に味わったあとに、ぜひとも足を運んでいただきたいのが、ワインのまち「花巻」が誇るワイナリーです。
「花巻」では70年以上にわたりぶどうが栽培されてきました。(参考:花巻ワイン通信|花巻市地域おこし協力隊)
ワインの醸造が盛んな地域でもあり、数多くのワイナリーが存在しています。
今回は「花巻」に数多くあるワイナリーの中からエーデルワインの工場見学について紹介します。
ワイナリーの工場見学|エーデルワイン
エーデルワイン工場では、ワインの原料となるぶどうはすべて岩手産を使用しています。
エーデルワインがある岩手県花巻市大迫は、霊峰「早池峰(はやちね)」から湧き出る豊富できれいな水に恵まれています。
降水量が少なく昼夜の温度差が大きい冷涼な気候と、石灰質で弱アルカリ性の土壌があいまって、ワインに適した環境が整っています。
エーデルワインは、硬水のようなミネラル感とキレのある酸味が特徴で、軟水がほとんどを占める日本の中で個性が際立つワインです。
芳醇な味と香りのエーデルワインは、国内外のワインコンクールで金賞を受賞するなど高い評価を受けており、品質の高さは折り紙付きです。
エーデルワインでは下記のように、ワイン好きにはたまらないおしゃれな施設が併設されています。
- ワイン醸造工場
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ワインの樽熟庫・醸造・ビン詰などワインの製造工程を見学できます。
住所 〒028-3203 岩手県花巻市大迫町大迫10-18-3(アクセスはこちら) 電話 0198-48-3200(ワインシャトー大迫) 入場料 無料
※団体で見学希望の場合は予約が必要です。
※工場見学の予約は「ワインシャトー大迫」にて受付けております。
※上記以外でのご来店の場合は、予約不要でご自由にご覧いただけます。見学可能な時間 10:00~15:00 休館日 年末年始(12月31日~1月3日)、水曜日(2024年1月~2月末まで) 公式Webサイト https://edelwein.co.jp/edel_info/factory ワイン醸造工場の基本情報 - ワイナリーの直売店「ワインシャトー大迫」
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「ワインシャトー大迫」では5種類のワイン+ジュースの無料試飲ができます。
スクロールできます項目 内容 住所 〒028-3203 岩手県花巻市大迫町大迫10-18-3(アクセスはこちら) 電話 0198-48-3200(FAX兼用)※工場見学の予約受付はこちらです。 入場料 無料 (有料試飲をご希望の場合は料金をいただきます。) 開館時間 9:00~16:30 休館日 年末年始(12月31日~1月3日)、水曜日(2024年1月~2月末まで) 公式Webサイト https://edelwein.co.jp/edel_info/wein_chateau ワイナリーの直売店「ワインシャトー大迫」の基本情報 - テイスティングルーム
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テイスティングルームでは風味や希少価値などが異なる個性的なワインを有料で試飲できます。
そのほか、ここでしか手に入らないヴィンテージワインも販売しています。
岩手県 「盛岡」の「わんこそば」店
下記の岩手 「盛岡」のわんこそば店を紹介します。
- 東家(あずまや)|盛岡
- 初駒(はつこま)本店|盛岡
東家(あずまや)|盛岡
「東家(あずまや)」は創業が明治40年、盛岡市内に3店舗を構える老舗のそば料理店。
「わんこそば」の他にも伝統のそば料理のコースも堪能できます。
おわん15杯分でかけそば1杯分、給仕つきでソバを食べ放題。
「はい、じゃんじゃん。はい、どんどん」のかけ声とともに手元のお椀に1口分のソバが投げ込まれます。
テンポ良く重ねられるお椀が奏でるリズムを楽しみながら、次々と目の前にお椀が積み上がるさまはまさに圧巻!
エンタメ要素満載の食事が体験できます。
項目 | 内容 |
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住所 | 本店 盛岡市中ノ橋通1-8-3(盛岡バスセンター近く) 駅前店 盛岡市盛岡駅前通8-11-2F(駅前地下道A1出口) 別館 盛岡市中ノ橋通1-8-4 |
営業時間 | 本店 11:00~15:00・17:00~19:00L.O.(わんこそば18:30L.O.) 駅前店 11:00~15:00・17:00~19:00L.O.(わんこそば18:30L.O.) 別館 盛岡市中ノ橋通1-8-4 |
定休日 | 本店 定休日:毎月第1水曜日 (5月GW、8月を除く) 駅前店 定休日:毎週火曜日(5月GW、8月を除く) 別館 原則ご宴席・ご会食の事前予約のみ |
TEL | 本店 019-622-2252 駅前店 019-622-2233 駅前店 019-622-2252 |
公式Webページ | https://wankosoba.jp/ |
初駒(はつこま)本店|盛岡
創業昭和35年、盛岡名物「わんこそば」の老舗「初駒」。
「初駒」の「わんこそば」はソバの風味や、薬味、マグロやなめこなど海の幸・山の幸などに舌鼓をうちながら、給仕さんとの掛け合いも楽しめます。
項目 | 内容 |
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住所 | 本店 〒020-0872 岩手県盛岡市八幡町10-21 盛岡インター店 〒020-0773 岩手県滝沢市大釜上竹鼻75-5 |
営業時間 | 本店 11:00~20:00 駅前店 11:00~20:00 |
TEL | 本店 019-651-7184 盛岡インター店 019-687-5001 |
公式Webページ | https://hatsukoma-group.com/ |
岩手県 「盛岡」周辺のおすすめ観光名所
岩手 「盛岡」周辺の観光名所を紹介します。
岩洞湖家族旅行村
岩洞湖家族旅行村は岩手県立自然公園外山早坂高原内にあります。
雄大な自然の中にキャンプ場やテニスコートなどさまざまなレクリエーション設備があります。
周りを緑に囲まれたオートキャンプ場は、岩洞湖の青く美しい水面を一望できる絶好のロケーションです。
爽やかな風が通り抜ける広場では白樺林のなかでピクニックを楽しめます。
また、岩洞湖が一望できる相ノ山から水芭蕉の湿生花園を結ぶ約8kmの遊歩道の散策もできます。
項目 | 内容 |
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住所 | 〒028-2711 盛岡市薮川字亀橋33-4 |
利用時間 | 開村期間:5月1日から10月31日まで(期間中無休) |
窓口受付時間 | 管理棟受付時間:9時から16時まで |
TEL | 019-681-5235 11月1日から4月19日までのお問い合わせ先は019-683-3852 |
駐車場 | 無料(約150台) |
交通アクセス | 自家用車 東北自動車道盛岡I.Cから約1時間 |
公式Webページ | https://www.city.morioka.iwate.jp/shisetsu/sports/koen/1006912.html |
岩手県 「平泉」のおすすめ「わんこそば」店
岩手 「平泉」のわんこそば店を紹介します。
芭蕉館
芭蕉館は元祖盛り出し式平泉わんこそばのお店。
普通の「わんこそば」は、お椀のソバを食べるたびに次々とソバが入れられますが、「盛り出し式」の場合は自分でお椀に移し好みの薬味で味変しながらマイペースで「わんこそば」を楽しめます。
国内産のソバとつなぎを使用し、創業以来100年近くかわらない本返しの出汁を使用しています。
ほんのり甘く濃さがひかえめな出汁はソバとの相性が抜群です。
12杯のお椀(ざるそば1人前)をのせた膳が2膳分ついてきます。
項目 | 内容 |
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住所 | 〒029-4102 岩手県西磐井郡平泉町平泉字鈴沢3-1 |
営業時間 | 10:00~15:00 |
定休日 | 無休 |
TEL・FAX | 【TEL】0191-46-5155 【FAX】0191-46-5176 |
公式Webページ | https://www.bashokan.co.jp |
岩手県 「平泉」周辺のおすすめ観光名所
岩手県は「うるし」の一大生産地です。
「わんこそば」のお椀や日本の重要文化財の修復にも使用される「うるし」を本場の岩手県の平泉で体験しましょう。
うるし塗体験|KURAS
わんこそばが入っているお椀は、美しく上品なツヤが特徴的ですよね。
KURASでは、お椀に塗られている「うるし」を「はし」や「ストラップ」、「スプーン」、「コースター」、「銘々皿」に塗って自分好みのデザインに仕上げる体験ができます。
項目 | 内容 |
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運営会社 | 有限会社 翁知屋 |
住所 | 〒029-4102 岩手県西磐井郡平泉町平泉字衣関1-7 |
営業時間 | 10:00~15:00 |
定休日 | 無休 |
TEL・FAX | 電話 0191-46-2306 FAX 0191-46-2315 |
公式Webページ | https://ochiya.jp/kuras/index.html |
岩手の名物「わんこそば」情報まとめ
名物「わんこそば」は、漆の一大生産地でありソバの栽培が盛んな岩手県の食文化として親しまれてきました。
「わんこそば」の発祥は諸説あるものの、「花巻」説と「盛岡」説が有名です。
またエンタメ要素の強い、給仕さんが次々につぎ足してくれるタイプの「わんこそば」は、「花巻」や「盛岡」のわんこそば店で楽しめます。
自分でソバを補充しながらマイペースで楽しみたい方は、盛り出し式平泉わんこそばの「芭蕉館」などがおすすめです。
「わんこそば」を堪能したあとは、体験型の観光スポットで岩手の風景や文化を満喫しながら、楽しい思い出をつくりましょう!